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家庭での取り組み

1. 心構え

 

マンチェスター日本人補習授業校は、日本語学校ではありません。

補習校の運営目的を理解ください。
補習校は「日本の文部科学省のカリキュラムに沿った授業」を行います。
日本語で学習しますので、先生の話される日本語が理解できない児童は、授業を理解することが非常に困難です。

幼児部との違い

幼児部は未就学児が「あそび」を通して学ぶ場です。それに対して、補習校は勉強をする場です。
「楽しく学ぶ」場であっても、「あそぶ」場ではありません。

補習校で学習する目的

保護者は児童が「日本語で学習する」必要性は理解されているでしょう。ところで、「日本語で学習する」目的は何でしょうか? 各家庭環境によって、目的は違ってくるでしょう。是非この機会にこのことを考えて見てください。英語圏で生活し普段それほど日本語を必要としない児童は「なぜ、日本語で勉強しなければならないの?」と思うでしょう。児童が目的をもって補習校で勉強することは大切な事です。

保護者も児童と一緒に補習校活動(勉強、行事、運営)に参加してください。

児童は月曜日~金曜日まで現地校で勉強しています。そして、土曜日は補習校です。体力的に負荷になるかもしれません。在校生は、現地校との両立のため日々努力しています。
自分から進んで補習校の勉強をする児童は少ないでしょう。保護者は常に児童をリードしサポートしなければなりません。児童が有意義な補習校生活を送るために、保護者も一緒に努力してください。

2. 入学前に

 

(1) 補習校授業を受けるにあたり、最低限の準備項目と国語知識

日本語で生活する環境を整える

日本語で話すことが特別なことに感じている児童が見受けられます。何を問いかけても、第一声が「できない、わからない」になる児童がいます。
⇒ 家庭内での会話は日本語を基本としてください。
家庭での会話は、子供たちに最後まで喋らせる。
間違った使い方をしたら、その場で「…、~ね。」と正しい使い方を教える。
年齢相応の語彙で話かける。(自分のことを「○○ちゃん」と呼ばないなど…)
「あれをしなさい。」という指示だけの会話ではなく、物事の理解を促す言葉を掛けるようにする。

単語力と発言力を養う環境を整える

授業に積極的に参加できるようになる為に、教師の指示を理解でき、指示に従える、並びに応答できる単語力、発言力を身に付けておいて下さい。

< 例 >

挨拶

「起立、礼、着席」

「おはようございます」

「さようなら」

授業・指示に従える

「前を向いてください」

「先生の話しを聞いてください」

「静かにしてください」

「教科書を開いてください」

「ノートに書きましょう」

授業・質疑応答が出来る

名前を呼ばれたら「はい」と返事ができる

「絵を見て気がついたことを言ってください」

「わかった人は手を挙げてください」

「~について知っていることを教えて下さい」

「昨日は何をしましたか」

「どうでしたか」


⇒ お母さん、お父さんによる読み聞かせを行う。(ベッドタイムストーリーを日本の物語に)
⇒ 同時に、上記の言葉を掛けながら、単語力、発言力を高める。(声語等による語りかけを多く行う→わんわん、ふわふわ等)

ひらがな(濁音などを含む)を読める、単語のまとまりで理解できる

    
< 例 >1年生の最初の詩

はるこの詩のように、言葉と言葉の間が空いているスペース(分かち書き)のところで切って読む練習 

はるの はな

さいた

あさの ひかり

きらきら

おはよう

おはよう

みんな ともだち

いちねんせい


⇒ 50音表を家の中に貼っておく。(トイレ等)
⇒ 子供に日本語の本を読ませて、スペースで切って読むことを教える。

自分の名前がひらがなで書ける

ひらがなの書きの練習は1年生の授業で行いますが、自分の名前は最低書けるようにしておいて下さい。(その際、筆順にも気をつけてください。)
⇒ 御家庭で練習して頂くようお願いします。

簡単な自己紹介ができる

名前、住んでいるところ、家族、好きな食べ物、好きなこと等を、大きな声ではっきりとみんなの前で言えるようにしておいて下さい。恥ずかしがって言えないのと、日本語が分からなくて言えないのは雲泥の差です。
⇒ 御家庭で練習して頂くようお願いします。

(2) 集団生活をする上でのしつけ

先生の指示に従うことができる

人の話を静かに聞く。
座る時は座り、立つときは立つ。
人の嫌がることをしない、言わない。

授業を受ける態勢をつくる

50分間の授業中いすに座っていられず、徘徊をする児童が毎年見受けられます。家庭学習の際に、勉強するときはしっかりといすに座り姿勢を正す習慣をつけてください。

身の回りのことができる

自分の持ち物の管理(整理整頓を含む)ができる。
宿題を提出できる。返却された宿題を自分のものとして理解し、鞄にしまえる。
授業中に机の上がゴチャゴチャになってしまい、隣のお友達と持ち物が混ざってしまう。そのため、間違ってお友達の持ち物を持ち帰ってしまうことがおこります。
また、バックから教科書を出せない、バックにしまえない児童が見受けられます。
⇒ 自分の持ち物を認識し、整理整頓が出来るように御家庭で練習させてください。
よく忘れ物をした子供たちの言い訳で「お母さんが入れてくれなかった。」ということがあります。持ち物は必ず親子で確認してください。

日本的な躾(しつけ)を身につける

< 例 >
机の上には座らない。
靴のままいすの上や机の上に上がらない。
トイレは休み時間内に行く。
補習校内では、日本語を使う努力をする。

3. 入学後に

 

遅刻しないようにして下さい。

1人が遅刻し教室に入ってくると授業が中断し、他の生徒に迷惑が掛かります。

授業に欠席しないようにして下さい。

日本の児童達が1週間ですることを1日でやります。よって、授業の進捗は早くなります。1回の欠席は、1週間分相当になります。

高い教育レベルを目指しましょう。

「隣の子ができていないから、うちの子は大丈夫。」という考えは、クラスの学力レベル全体が低下する原因となります。

家庭学習をさせて下さい。

残念ながら途中で退学されるかたもおられます。最も多い理由は、「授業についていけない。」です。授業の理解度を深めるためには、家庭で+αの日本語教育が必要です。


< 例 >
家庭内での日本語会話 (日本語レベルを維持向上するために、これは絶対必要です。)
毎日の本読み
通信教育 等

個人別に相談を受けますので、ご希望のかたは補習校事務局までご連絡ください。

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